24年間唱え続けた「エイジフリー」 ~女性が仕事で輝くために~

社員の80%が女性の会社で社長をしております。「エイジフリー」を唱え続けて24年。「女性がいくつになっても仕事で輝いていける」ように、そして後に続く若い人達の為にも、そんな社会を皆で作りましょう。

2006年11月01日

『salida Renewal 2周年』記念対談


サリダ リニューアル2周年記念対談
働く女性が、もっとハッピーになれる社会へ

「エイジフリー」をスローガンに掲げ、リニューアルしたサリダも今年で2年目になりました。
「エイジフリー」というコンセプトは、世の中に少しずつ浸透してきたようです。
もちろん、まだまだ課題はいっぱいあります。
仕事や会社の選び方によって、その後の人生は大きく変わってきます。
2年目のサリダが新たに掲げるコンセプトは「Let's Happy Life!」
女性が、それぞれの目的にむかって、自分の能力を発揮しいつまでも輝ける、
そんな社会を作るためには、どうしたらよいのでしょうか。
2周年記念の対談は、このテーマでお話を伺いたいと思います。

株式会社ハーバー研究所 代表取締役社長 小柳 昌之
株式会社サリダ・アド 代表取締役社長 太田みどり

(この対談記事は2006年11月に、サリダ関東版本誌内で掲載したものを再編集したものです)


早くから女性の雇用に取り組み、今や社員の約7割が女性というハーバー研究所。
「女性に優しい、女性に働きやすい会社」を目標に今年で24年目を迎えるのだとか。
どうして、女性に着目されたのでしょう。


【小柳社長】(以下敬称略)何も特別なことではなくて、単純に女性が優秀だからですよ(笑)。
当社が化粧品を扱っている会社ということもありますが、社内では男性社員も女性社員も全く同じ扱いをしています。給料や昇進なども一緒。それが、私の考える平等です。
女性を特別視したり、勝手に女性用の間口を設定するようなことが一番ダメ。当社に限って言えば、男性にできて女性にできない業務なんて一切ないですから。
とはいえ、男女の性差というものは当然あります。そこをしっかりフォローしてあげることが、結果的に「女性に働きやすい」環境作りに繋がっていくのだと思います。
北海道にある子会社の工場では、敷地内に託児施設を設けています。何かあれば、すぐに駆けつけられる。仕事が終わったあとは、子供と一緒に芝生で遊んでから帰る。とても微笑ましい光景です。

時間的なことは、いかがでしょう。残業であるとか。

【小柳】残業をなくしたいというのが、会社の方針です。どうしても残業しなければならないと本人が考えた時だけすればいいのです。
例えば研究部門で、ひとりである新製品の開発をやり、非常に頑張って遅くまで仕事してる女性がいます。まだ若いんですけど。それは本人にとってのチャンスで、本人が一生懸命チャレンジしている。また、フレックスタイムなので、勤務時間もある程度本人次第なんです。それを最初から女性だからと、お茶くみをさせたりする会社はダメですね。
ただ女性は、長期的な目標を持つのが苦手かもしれません。目の前のことに集中する傾向があるようです。

【太田社長】(以下敬称略)そうですね。やはり、男性と女性って全く違う生き物ですから(笑)。
働きやすさというのも、男女でそれぞれ違ってくるはず。すべてを一緒くたにするのではなく、その人のライフスタイルに合わせた環境作りをしてあげるというのは、とても大事なことですよね。
特に女性にとっては、産休を気兼ねなく取れるかとか、家事や育児との両立ができるようにフレックスタイム制を導入しているか。そんな取り組みが、これからの仕事選びの大きなポイントになると思います。
最近、新卒の学生の志望動機にも「出産してからも働けるから」というのが増えていて、確実に意識は変わってきていますしね。

【小柳】ハーバーでは、何人もの女性が産休、育休制度を利用しています。
仕事に関しては、その人の持ち味に合った役職に就かせてあげることも重要です。部下を持つことに向いている人、コツコツとやる専門職に向いている人、どちらにも大きな可能性があるのに、合っていないポジションではそれが台無しです。日頃からしっかりと話し合いをして、その人の特性を見極めてあげるというのが上司の役目です。
当社では商品の企画、生産、販売までを一貫して自社で行っていて、専門職に向いている人に「エキスパート」という役職を設けています。デザイナーやコピーライター、特に開発部門では抜群の能力を発揮する女性社員が多いんです。

【太田】それは素晴らしいですね。やはり、その人の能力に応じた適材適所は大切なんですね。仕事は楽しくなければ。
ツライことや落ち込むことがあっても、好きな仕事で、最後にその努力が報われれば、結果的に次へのモチベーションにもなりますからね。

そのお話に関連してくると思うのですが、今回、サリダの新しいスローガンとして「Let's Happy Life!」という言葉を使われたのは、どうしてでしょう。

【太田】「Let's Happy Life!」というテーマは、それまで掲げていた「エイジフリー」というコンセプトの、次のステップと考えていただきたいんです。
「ただ働くだけ、ただ歳を重ねていくだけ」では、人生が味気の無いものになってしまいますよね。そうではなくて、楽しく働きながらもプライベートを充実させ、イキイキと輝く女性がもっと増えて欲しい。
そういう願いがこの言葉には込められています。
結婚をしていれば家事や育児もおろそかにできないし、社会にはまだまだ男性中心社会の壁というものがあります。女性が働いていく上で、ハッピーになるのってとっても大変なんですよ(笑)。

【小柳】いつも社員には「早く仕事を片付けて、もっとプライベートを充実させなさい」と言っています。やるべきことをキッチリやれば、後は自分のために時間を使うべきです。そうでなければ、毎日イキイキと働けないし、活力も湧いてこない。残業ばかりだと結局、会社の業績も下がってしまうんですよね。
残業が常態化している会社は、よくないです。

【太田】すべては、バランスが大切ということですよね。仕事もプライベートも、どちらかに偏っていては決してハッピーにはなれません。今「勝ち組、負け組」なんて価値観が広まっていますけど、あれも少し寂しいというか、どんなに仕事ができてお金が稼げても、最後の人間性の部分がダメでは意味がないと思うんです。
競争することの重要性は否定しませんが、当社が目指しているのは「ナンバー1」ではなく「オンリー1」なんです(笑)。

【小柳】確かに、どこの会社も同じところを目指して走っていたのでは面白くないですよね。
競合他社に追いつけ追い越せではなく、自社の独自性で勝負することが仕事を楽しくするのだと思います。
当社の製品は「無添加主義」というコンセプトで、とにかく世界一安全な化粧品だと自負しているのですが、アイディアから商品化まで恐ろしく手間がかかるんです。
改良に改良を重ねて、それでも発売まで至らないものだってある。
海外の化粧品などは肌の強い白人に合わせて作ってあることが多く、それは日本人の肌には合わない。メイク品でも色素として無機の顔料のみを使って、限りなく肌に優しい化粧品を作るためには、いくつもの壁を乗り越えなければならないんですよ。この、普通だったら諦めてしまいそうな仕事を、社員達は楽しみながらやっているんです。それは、商品になったときの喜びを知っていて、実際に自分たちで使ってみて効果を実感しているからでしょうね。自分の子供と同じようなものですよ。「良い製品を作ろう」という思い入れが強いんです。

団塊の世代の退職、少子化など、企業も女性の労働力に大きく注目しています。
これからの女性の働き方は、どうなっていくのでしょうか。

【太田】今の時点では、雇用機会均等法が広まったとは言っても、まだまだ社会の男女差はあります。それは企業の上層部に、いまだに「男性中心」の考えが残っているからでしょうね。
この習慣的に染み付いてしまった考え方を変えるためには、まずは男性の企業オーナーの方や人事採用担当者の方々が意識を変えていただくことが大切だと思いますね。

【小柳】同感です。私も講演会などの際「とにかく女性を使いなさい」ということを言っています。多くの会社で平等なチャンスを与えられていない女性があまりにも多すぎる。本当は高い能力を持っているのに、雑務的な、補助的な仕事しかやらせてもらえない。
企業の人事担当者は、まず「女性を知ろうとする」という気持ちを持たなければいけない。そのためには、社内の女性に充分にヒアリングして勉強をするべきです。心を開いて、謙虚にじっくりと話を聞く。そうすれば女性達は、徐々にでも本音を語ってくれるはずです。
当社では最低でも2時間は1対1で話をしなさいと言っています。そうすれば大体の問題は解決しますね。どんな仕事でも、最後は人と人との付き合いですから。

【太田】そうですね。理解していただくことで、女性に働きやすい環境も整っていくと思います。
現状では、まだまだそこまで理解してくださる企業も少なく、女性が将来的に抱える問題としての結婚、出産においても保育所が不足していたり、産休制度が整ってなかったりする企業が多いのが現実です。でも、これからはハーバーさんのように、自社に託児施設を備えている会社が増えていくのではないでしょうか。本当の意味で、女性が経済的にも精神的にも自立できる。「女性だから…」ではなく、「女性だからこそ」という感性を活かし、仕事に対して責任感と意識を持った女性たちが活躍できる社会になっていくといいですね。


Posted by midori  at 00:00 │対談